絵画とイラスト、デザイン - 巽千沙都&米満彩子 2人展 「Ice cream Dreamer」-

Art Complex Center にかなり前から告知されていて、ずっと行きたかった展示

f:id:Akano:20180428042457j:plain

www.gallerycomplex.com

作者のお二人が在廊していたこともあり、用意していた時間では回りきらない作品数と濃さだった。


巽千沙都さん

f:id:Akano:20180427134126j:plain

f:id:Akano:20180427134840j:plain

f:id:Akano:20180427135351j:plain

彼女の作品、実は プリズム症候群 がお会いする前からすごく面白い方だと思っていて、前回のデザフェスでお会いしたときはとても興奮したものである。

どこが好きなのかというと、彼女の絵はとてもキュートでポップな女の子が、往年の美少女戦士や魔法少女のような装飾品をつけていたりするのだが、つけているガーターベルトや下着のディテールがすごく細かいのだ。 ポップな絵柄で受け容れられやすい、イラストとして受け容れられやすい印象がある(実際にそういう声を聞いたこともある)作品だが、そういう技法を使っているだけで、なかなかクセのあるアプローチをされる方だな、と思った

今回の彼女の作品は、いわゆる「変身前」のものが多く、内に秘めた表現を感じました。


米満彩子さん

お恥ずかしながら、今回の展示まで存じ上げず。

色彩豊かな巽さんとうまく噛み合うしっとり落ち着いたかんじ。

f:id:Akano:20180427135413j:plain

自分はサックスをやっていて、たまに自分のと違う楽器を触ると、今まで出ていたフレーズとは違うフレーズが出て来ることがある。それは、そのメーカーがこういう風に音を出してほしい、こういう音がいい音でこういう演奏がいい演奏だ、という主張があるということ。 村正が呪いの刀と言われているけど、これは、作者のこういう風に使ってほしい、という意匠が持ち手に伝わり、持ち手がそれを使って欲しいと思うということ。

自分は、絵を見たとき、作者がどういうものに影響を受けて、どういう風に考えて描いたかを考えながら見るのが好きなのだが、これが作者様の思っていることと一致するのはすごく楽しいのだ。

f:id:Akano:20180427134158j:plain

f:id:Akano:20180427134415j:plain

今回は非常にバッチリ。これは連作なのだが、この子(リーブラ)だけまわりの書き込みとか目線とか違っていて、なんというか、チームの中のナンバー2、バランス役というか、ちょっと違う目線を持っているかんじ、他のカラフルな子とくらべて灰色や茶色や黒といった彩度の低いオーラを持っている感じが、米満さんと一致して、楽しかった。連作なのでこの子だけお迎えするというのは、ちょっと気がひけるのだけど、全部完成して、カレンダー化するのが楽しみである。

ていうか、持っている香水が、毒薬に見えてしょうがないんだよねぇ。

あと、星座の擬人化を見ると、ついつい聖闘士星矢を思い浮かべるのは、世代としての病かな。


f:id:Akano:20180428042728j:plain]

f:id:Akano:20180427135432j:plain

どんな組織でも1位になると見える風景が変わるということ

今まで、人工知能プログラミングを身に付けたく、以下の講座を受講していたのだけど、

www.aijobcolle.com

4/27が、最終試験および課題として作成した人工知能の精度のコンテストだったのだが、

f:id:Akano:20180428024952j:plain

優勝しました。


正直、全く狙っておらず、2週間くらい前に一通り出来上がった後は基本的に放置していた。講座中他の受講者の方と会話することもなく、他の方の進捗具合とかも把握していなく全く自分の立ち位置はわからなかった。

んで、今回は精度を出すためではなく、「精度は高くなくてもいいから簡単に設定できて、パラメータの操作もできる」ということを目標にやったら、パラメータの調整を柔軟にいじることができて、結果として精度が上がったっぽい。コンテストでよい精度を出すためではなく、実際の現場でも使えそうなものができたのでよしとする。

そしたら、今回の講座が終了した後、自分に話しかけてくださる方がいた。自分は講座中にも講師に何度も質問してたし、座る場所も決まっていたし目立っていたと思うが話しかけられず、そして自分が決してダントツトップではなく団子だったのに、話しかけられていたのは自分だけだった。

これは得なことなのだと思う。

たとえ実力が同じくらいでも、トップになるというだけで、それだけで winner takes all してしまうのだ。


gendai.ismedia.jp

上の記事がしばしバズっていたが、自分も鹿児島のど田舎出身として、トップを取っても何か恵まれるという経験はなかった。そのため、トップ集団に入るのは必死だったが、トップになることは別に、というかんじだった。

そういうことを考えるにおいて、いい機会だった。

創作をする理由 -- 堤誠 貝細工 --

創作をするときには、自分のコンプレックスだったりだとか、言葉では伝わらない思いだったりとか、何かの代償行為とか、そういうドス黒い感情がベースになることが多いのだけど、特に奥野ビルで展示する方には多いと思うのだけど、その中でとても優しい、展示があった。

奥野ビル1階、Y's ARTS にて

f:id:Akano:20180413184713j:plain

自宅近く、葉山の貝を拾って、コツコツと組み立てたもの。

f:id:Akano:20180413184813j:plain

f:id:Akano:20180413184835j:plain

f:id:Akano:20180413184837j:plain

f:id:Akano:20180413184852j:plain

f:id:Akano:20180413184925j:plain

f:id:Akano:20180413185036j:plain

f:id:Akano:20180413185045j:plain

f:id:Akano:20180413185107j:plain

こちら、オーナーのお父様とのこと。このオーナーは、このお父様の背中を見て、お育ちになったのだな、と思いました。

f:id:Akano:20180413185224j:plain

f:id:Akano:20180413185234j:plain

写真家の持つ言葉と決意 -- 菊池信平氏の記録「避難所の食事」 --

手元にカメラがあって、

後ろに津波がすぐそこに迫っている。

自分ならどうする?

f:id:Akano:20180413182743j:plain

上の写真が撮影され、世の中に公開されるには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 震災が起きて津波が発生した
  • その場に写真家がいた
  • カメラに電源が入っていて、キャップが取れていて、設定が済んでいた
  • カメラマンが振り返って、シャッターを押した
  • カメラマンが、生き延びた
  • カメラマンが、公開する決心をした

自分ならどうするだろうか。おそらく、波から逃げることに必死になっただろう。

多くの写真家ならどうするだろう。シャッターを押して、結果として生き延びれなかった方もいっぱいいたであろう。実際、この写真に写っている3名のうち2名は亡くなったそうだ。

このカメラマンは、ここでシャッターを押して、さらに、生き延びた。

その写真家が、避難所で出てくる食事をひたすら撮影した記録展が、銀座奥野ビルの Art Spage RONDO でありました。

f:id:Akano:20180413182750j:plain

f:id:Akano:20180413182755j:plain

f:id:Akano:20180413182800j:plain

f:id:Akano:20180413182804j:plain

f:id:Akano:20180413182821j:plain

f:id:Akano:20180413182844j:plain

f:id:Akano:20180413182902j:plain

f:id:Akano:20180413182905j:plain

更級日記には、既に現存しない古典の名前がいっぱい載っているとのこと。

この写真は、カメラマン菊池信平氏は公開するつもりのない作品だったこと。この場にプロのカメラマンがいたという幸運(<=という表現が正しいのかわからないけど)、その方が機材と共に生き延びてカメラマンの言葉を使って歴史をつないだ決意、自分は、出版化して、国会図書館に保存することを、菊池氏にリクエストメッセージを送りました。

f:id:Akano:20180413183234j:plain

f:id:Akano:20180413183243j:plain

人物ポートレイトの撮影は、リーン開発と共通する思想があった点について

f:id:Akano:20180318141322j:plain

カメラを買ったからにはうまく使えるようになりたいよね、ということで、

www.street-academy.com

こちら、受けてきました。

ポートレイトとは、以下。

  • 被写体がいる。それは人物
  • カメラマンが被写体(モデル)に指示を行いながら撮影

自然に動いたものを撮る「スナップ」とは、指示を出すかどうかが違い。

そして先生曰く、「ポートレイトは唯一、アマチュアがプロに技術の差をひっくり返して勝てる分野。最も大切な「表情」を引き出すのに、カメラの技術は関係ないから」

そして、実技の前に表情の引き出し方の座学があったのですが、その中身がリーン開発の「ペルソナ分析」とかなりかぶっている部分がありました。ので共有

ポートレイトで大切なもの

表情

良い表情を出すには

世間話はいらない。

  • カメラマンは、いい写真が撮りたい
  • モデルは、いい写真を撮って欲しい、取らせてあげたい

それ以外の話はいらない。

とはいえ、指示はいらない。いるもの =======> 設定

設定、とは

モデルは情報が欲しい

例)

  • 緊張した感じで座っていて <== 緊張の解釈が??? プロなら自分の解釈で頑張るが、、、
  • 「面接前の控室のつもりで」 <=== 自然に体が動く

よって、カメラマンは、

  1. 自分の撮りたい表情を決める
  2. それが引き起こされるような設定を考えて、伝える

わからなかったら、モデルさんに聞こう。簡単。

  • どういうときに緊張する?
  • どういうときにアガる?

表情の維持

表情を動かすには、相手の感情を動かす。

そのためには、カメラマンのテンションが大切。プロのモデルはテンションを自分で作れるが、そうでないモデルは、カメラマン以上にテンションを上げることはできない。

よって、カメラマンはオーバーにテンションを伝えないといけない。 ===> コミュ力

  • 「かわいいよー」「これすてきー」「いいよいいよ」と声をだす
  • いい感じの表情が出たら、シャッターを連写する
    • シャッターで会話する
    • 構図もシャッター押しながら考える。モデルを不安にさせない
    • カメラマンは、カメラを持つとワガママになる。駄目。対話を忘れない
    • 自分のSDカードに駄目な写真を入れる、バッテリーを減らすことをいやがらない。モデルを思いやる
  • お願いする。OK してくれたらありがとうを言う
  • 要は、普段の人間関係と同じことを着実に行う

何が似ている?

ペルソナ設定、カスタマージャーニーマップ、PDCAサイクルという概念をご存じない方からの発言が、それに近いものがあって新鮮でした。

実践結果

1回目

  • 撮りたい表情:アンニュイな感じ
  • 設定:遠くに行った恋人、もうすぐ帰ってくる、かも。それを待っている

f:id:Akano:20180318135149j:plain

f:id:Akano:20180318135335j:plain

1回目でかなり戸惑う。設定も決して馴染みやすいとはいえず、また、いい表情だったときにどう声がけしたらよいかわからず、あまりいい写真が撮れなかった。座学では「かわいいよ」が例だったけど、今回はそれは違うよなぁ、と。

アシスタントの方に聞いて「単純に『いいよ』でいいですよ」ということだった。次回のリベンジを誓う。

2回目

  • 撮りたい表情:冷たい強さ、かっこよさ、戦う女の決意
  • 設定:ファッションショーのランウェイの待機室。ここで私がこの世界で頂点を取るんだ、という意思

f:id:Akano:20180318141238j:plain

f:id:Akano:20180318141257j:plain

f:id:Akano:20180318141322j:plain

f:id:Akano:20180318141503j:plain

f:id:Akano:20180318141455j:plain

緊張した感じを出したかったので、固めに「そうですこれです」「はい、そんなかんじで」と声がけしたのと、シャッター連写で伝える。

反省点としては、自分がモデルさんより背がかなり高く、目線が見上げる位置になってしまい、ちょっと挑戦者感が強く出てしまったこと。少し屈んで構えるべきでした。

3回目

  • 撮りたい表情:大胆不敵、傲慢、余裕
  • 設定:あなたはチャンピオン、既に頂点。迎え撃って下さい。芸能人で言うと梅宮アンナ

f:id:Akano:20180318143051j:plain

f:id:Akano:20180318143038j:plain

f:id:Akano:20180318142945j:plain

f:id:Akano:20180318142947j:plain

f:id:Akano:20180318142909j:plain

プロのモデルすげーーーーーーーー

指示出しの段階で、(モデル)「え?まじで?やっほーーーい」(あかの)「いぇーす!ゆーあーチャンピオーん!」といったかんじでテンション上げさせられてしまいました。

撮りながら「かっこいいです」「ぐっときます」「そうそんなかんじで」「お、やさしい笑顔もまたキますね」「踏んで下さい!」とすっかり盛り上がってしまいました。

4回目

  • 撮りたい表情:アンニュイ
  • 設定:あなたは女性起業家。自分の会社を守るために、嫌いな男に抱かれにいきます

f:id:Akano:20180318145137j:plain

f:id:Akano:20180318145130j:plain

f:id:Akano:20180318145126j:plain

  • 撮りたい表情:ギャップ萌え
  • 設定:「さっきの予定、なくなりました」

f:id:Akano:20180318145144j:plain

5回目

  • 撮りたい表情:普通の女の子らしさ(あくまで男性の考える)
  • 設定:デートの準備 => 待ち合わせ、彼氏おそいなぁ

f:id:Akano:20180318145841j:plain

f:id:Akano:20180318145936j:plain

f:id:Akano:20180318150029j:plain

f:id:Akano:20180318150032j:plain

感じたこと

すごい技術はいらないかもしれないけど、最低限の技術は必須で、その最低限がそこそこ高いかも

コミュニケーションということでも、その結果を着実に形にできるだけの知識、技術は必要

  • カメラはマニュアルモードで撮影ができるか?
  • 自分の感情を表現できる、カメラの設定を知っているか?
  • 光の使い方の定石は知っているか
  • それを現在の環境から素早く構築できるか
  • もたもたしてモデルを不安にさせないか
  • 作りたい絵をイメージできるだけの鑑賞経験があるか
  • イメージを伝えるだけの国語力、語彙力があるか

カメラのプロに、狭い意味での技術力で勝てるかもしれないけど、広い意味での人間力をカメラに伝えるための技術って、必要。

プロはすごい

  • すげぇ綺麗だった
  • それは「自分のため」ではなく「人のため」
  • 高飛車な印象があるけど、それはプロ意識の裏返し。しっかりと返せるだけの人間力がある

自分はポートレイトよりスナップが好き

f:id:Akano:20180318151712j:plain

自分の理想を突き詰めるよりも、目の前に起きたいろんなことを、できるだけそのまま、余計な主観を入れずに、残したい伝えたい、が自分の好きなことだな、と改めて確認。自分はモデルさんではなく、待機している受講生カメラマンのスナップショットの方をいっぱい撮っていました。

それが、自分の写真なんだな、と。

今後

早速、本番でモデルさんの撮影を行ってきました。

ご本人から許可を頂けたら、公開。