春画展に行ってきました
本日 11/3、文京区目白台の永青文庫で行われている、春画展に行ってきました。
大英博物館で公表を博して、日本でも実施しようとしたものの、クオリティの高さは認められつつも多くの博物館、美術館に断られ、決して大きくはない永青文庫で受け入れてもらった、という曰く付きの展覧会。本家大英博物館でも、なかなかスポンサーが見つからない旨の記述がありました。
今回の展示は、模写を習っている小熊先生からのご推薦でした。
で、気づいた点。
展示物に関して
2点。
中に書かれている小物、服のクオリティがとても高い
35 四季競艶図 鳥文斎栄之 (図録p218)
アニメでも、テレビ放映される1期目は作画が結構のっぺりしていて、劇場版になってくると書き込みが丁寧になる、というのはよくある現象ですが、確実に売れると分かっている、このような作品だからこそ、贅を凝らした作りになっているということが見受けられます。 例えば上記のものだと、女性の着物はそのまま、スーパードフフィー等の衣装に引用しても、かなり立派なものになることは間違いないです。その他にも、江戸の服飾等の風俗を調べるのに、かなり有力な一次資料になったり、デザイン図案の元ネタになりそうなクオリティがありました。
女性器の描きかたの特徴
浮世絵の春画の男性器が大きく描かれていて、それが日本人男性の巨根伝説の大元となったのは有名な話で、見たところ、とてもご立派なものが書かれておりました。 女性器ですが、男性器と一転してかなりリアルなものが書かれていましたが、女性器も同様に大きく描かれていました。
描きかたとして、「あくまで体の突起物」である男性器は、「そのままそれだけ」拡大する、という描きかたがされていましたが、女性器の場合、「足を小さくする」という手法が使われていることが目につきました。
7 花底春画絵巻 長谷川等仙 (図録p102 一部修正)
上記、ぼかしの部分が、ほぼほぼ陰毛から膣口まで、かなり写実的に描かれています。 これより、男性器を誇張する描きかたは「見えを張っている(現在でいう「奇乳」の表現」)ではなく、目立たせたい箇所を大きく描く記法だったのかな、とおもわれます。(男性器を目立たせたい:それ自身を大きく、女性器を目立たせたい:まわり(脚)を小さく)
他に
客が多かった。。
祝日ということもあり、かなりぎちぎちでした。
カップル(若者~お年寄りまで)、女性グループが目立ちました。まぁ単独の人は喋らないから目立たないだけかと。
図録が厚い
いろんな企画展で、図録は2,000円代であることが多いのですが、ここのは4,000円、とのこと。高っけぇなぁ、と思いつつも、
通常の倍程度の量は確かにありました(比較対象はありふれたDVDパッケージ)。
永青文庫という建物
wikipedia(永青文庫 - Wikipedia)によると、1950年築とのことでしたけど、いずれ建物自体の価値も出てくるのでは、という趣がありました。古いのですが、作りがしっかりしているので残り続けそうだな、とも思いますが、トイレが少なそうなのは厳しそうだな、と思いました。