Startup Weekend Tokyo に 2回参加した理由と、その結果
Startup Weekend という、企業体験イベントがあって、自分は、過去2回、参加しました。直近は先週です。
ある程度考えがまとまったので、blog に書いてみます。 どのようなイベントかどうかは「ググってください」でまとめて、自分は、「失敗」というキーワードでまとめてみようと思います。
前回(2015/10/02~4)と、それが終わってから
前回のエンターテインメントは、「社員としてではなくスタートアップのCTOとしての動きを体験したい」というのが主な目的で、折角なのでイベントを楽しむため「エンタメにそれなりに触れていて感じていた解決したいこと」をピッチしてすることにした。
起業とかはあまり考えておらず(こんなことを言うのは何だが、世界中の人々全員が Startup をすべきとは自分は思えないのだ)、とはいえピッチを考えてやってみると結構それは大切なものになって、結局ダメになったことは結構さみしかったりしたのだけど、自分が票を入れたピッチが残ったので、そのチームに入り、3日間、頑張ったのだった。
で、結果としては、2位以内に入れず、かといって、最下位でもなくある程度の達成感はある、という状態で、そのプランを実際に立ち上げようという話もなく、日常に帰るという終わりを迎えたわけで。
んで、順位発表の直後からかなーり消化不良感があり、それを一言で言うと、
「あれ、自分、失敗らしい失敗をしてないぞ?」
勿論、大成功もしていないのだ。
何にならなかったというわけではない。結構得るものはあった。チームのメンバーも尊敬できる方々だった。とはいえ、自分はここでは「モブ」で終わったな、多分、自分が見えた風景よりも面白い風景を見ている方がいっぱいいるのだろうな、という思いが残っていた。
クロージングのパーティで、自分が思う「最も濃い経験をされた方」に声をかけて、後ほどお会いしたりとかして、そこでいろいろ考えることはあったのだけど、少なくとも、あのイベントを経過したからといって「よし起業するぞ」という思いはなく、かといって何かやりたいことがないわけではなく、Rails エンジニアとしてのほほんとやっていたらそこそこリッチな生活ができるこの平和から飛び出すには何か一押しが足らず、例の「濃い方」に、その状態を以って、「あかのさんはつまり勇気がないのね」と評価されたりした。
違うんだよなぁ、と思い、実際そのときには反論したわけで、とはいえ、「勇気がないとしたらそれは何故かな」と思っていたところ「需要があるのかどうか分からない」ということで、それを測りたいという思いが出てきて、そうすると、都合よくノージャンルの Startup Weekend Tokyo が開催されるらしい、とのことだった。
参加にあたって
とはいえ、相当迷ったわけで。 イベントが終わった次の一週間の体のきつさ、達成感が空振ったときの空虚な感じが気持ち悪く、その「怖さ」を知っていて、参加ボタンを押すのをかなり躊躇してしまった。 それに、開催される週に仕事で作っているサービスのリリースが予定されていて、体力も、精神力も、結構ガリガリ削った状態になりそうだ、ということを気にしていた。
リリースはバッドタイミングなことにイベント前日木曜日までずれて、体力的にかなりいっぱいいっぱいな状態になりながら九段下の会場に向かった。
前回の Enterteinment でやったことを、それなりにマイルドにしたものをピッチして、結果としてギリギリで通過したのだけど、申し訳ない。そのときに最初に感じたことはこれ。
通ってしまった。
ピッチに通らなかったら、そのまま帰って寝るつもりだった。かなりいっぱいいっぱいだった。
3日間の過ごし方
省略。ていうか、それぞれなので、あまり参考にならないかと。
というより前回で、「このチームが一番優勝に近い」とかオーガナイザーとかにいろいろと言われて、とはいっても最後の情熱のためなのか賞はとれなかったわけで、あんまり参考にならないかと。
自分が決めていたことはただ一つ。
街角インタビューの練習をやろう
起業するかどうかは置いておいて、今後の社会人生活で役に立つ経験を一つはやってみたいと思っていたわけだ。
で、それはある種の「極意」を身につけることが出来て、今後自分のサービスなり会社のサービスなりを行うときは役に立ちそうだったのだけど、いかんせん、物事には良いことも悪いこともあるわけで、
3日目午後に体力が完全に尽きてしまった
体力が尽きたことでプレゼンを詰めることができず、というよりインタビューに拘ったことで、広すぎるテーマをピボットして絞る(尖らせる)チャンスをみすみす逃してしまった。
発表
残念ならが賞は取れなかったわけで。 まぁ、先に述べたように欠点があったので、しょうがない側面はあるのだけど、賞を取ったチームも、ケチを付けようと思えば十分につけることができる内容だった。実際に、参加者投票で一位だったチームは、3位内に入ってなかった。
これについては別におかしなことではなく、
ということだ。
リンク先とは全然違う解釈をするのだけど、「不思議な勝ちあり」とは、 何かをしようというときに、完全な準備ができることなど、まずあり得ない。いろんな不安や不出来を抱えながら、挑戦してみると、あっさりうまくいくこともあるよ、ということかもしれないな、と考えてみた。
案外、トヨタのカイゼンを考えた人の中にその言葉を知っている人がいて、それが回り回ってリーンの思想に影響を与えているのかもしれない。
パーティ
他の人の blog を見た所、「優勝する最大のメリット」は、「パーティで話しかけてもらえること」と書いてあった。まぁ自分は優勝したことないので(僻み)、それはよく分からないのだけど、パーティ中にジャッジの方から「このプランは絶対に成功させるべきです」と言われたり、また、他の参加者の中から「あのプランは絶対成功させてください。使います」と言われて、
ゲームとしての勝利を取って、看板を得て起業することができなかったこと
を、とてつもない失敗、って考えて、2日くらい結構凹んでいたりしたのだけど、まぁ、それは全然挽回できることだよね、とまた思ったり。
んで、ゲームとしての勝ちを取る(=投資を得る)ためのシミュレーションをしてみたら結構ぬるかった点が、体力面以外でも結構あって、その失敗を事前にできたことが、一番の収穫だったのでしょう。
で、この一週間
自分が定期的に会っているカウンセラーにこの話をすると、「起業はやめておきなさい」と勧められた。「あなたはそれを心からやりたいわけではなくて、他の人がやってほしいからやるわけで、だとしたら追い詰められた時のあなたの体調が心配です」とのこと。
それはそれでとても至極納得な話であり、またしばらく考え続けることになるのでしょう。
まとめ
- 勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。不完全でもやってみよう。
- 何かを「測る」という目的でも、Startup Weekend は、使えます。
パーティで言われたのだけど、「行動することには、何か意味があるのだ」