メルカリは世界を「取る」ために、積極的に「西成」を目指している、のかも
この 2つのエントリを読んで思ったこと。
山田進太郎氏は世界を取るために、あえてメルカリを「西成化」するようにコミュニティ設計したのではないか
サービスを立ち上げたいと思うときと思う人(とりあえずIT限定)
Startup Weekend で、ファシリテーターがクロージングパーティの席で他の参加者に「自分のことか、自分の知り合いのことだと、尖ったサービスになる。IT×A×Bとか、広い需要を満たそうとすると、尖がらないふわっとしたサービスになる」と伝えられていた。
それはほんとにその通りだと思って、では、その「自分」や「知り合い」って、誰か、ということ。
ITを使ったアプリやシステムのスタートアップだと、それは往々にしてプログラマやマーケターで、つまりそれは間違いなくインテリだ。 これは、金持ちだとか、高学歴だとかとは、相関はあっても必ずしもそういうわけではなく、「ある程度の学習能力(抽象化能力、論理的思考能力)」のある人たち、「経験よりも知識を優先する」という意味で、一般的にはそういう人が優秀だ、と言われている。たとえば、田中角栄氏が、東大卒官僚真っ青の論理的思考能力を持っていたと言われていて、つまり角栄氏も「インテリ」である。
で、そんなインテリが、会社に入ったり勉強会に行ったりするとどうなるか、というと、大抵の場合、まわりはやっぱりインテリばっかりになり、その「自分の知っている人」は、やっぱりインテリになるのだ。 そもそも世界基準では、日本で生まれ育っている時点で、多くの人が「インテリ」、つまりは「少数派」なのだ。
(インテリとそうでないの境目なんてあってないようなもので、ある分野においては「インテリ」でも、そうでない分野では違ったりする。ただ言えることは、IT企業の経営者や開発者は、IT分野では間違いなく「インテリ」である)
メルカリのサービス
メルカリで思ったこと。
メルカリはインテリをはなから対象外にしている。
インテリの長所は何か。
- 危険を予測して避けることができる
インテリの短所は何か。
- 未知や欠損に恐怖を感じるようになる => コストがかかる
日本人はインテリばかりだから、「トレーサビリティ」とか、いろいろとある。まぁ日本で生活していて、スーパーとか見ているとそう思うし、現在サービスは「危険を避けるために」いろんな付加価値が付いてきている。
自分は日本から一度も外に出ていないので分からないけれども、世界で行われている商取引の多くは「スーパー、デパート」よりも「バザー」の方が多いのだろうと思う。そして、バザーでは、あったり前だけど、トレーサビリティとかやかましいことをやる必要はなく、会話と現金商売で成り立っている、だろう、ということ。
考えてみたら、世界で行われている取引では、「オークション(競争入札)」よりも「自分(買い手)とあなた(売り手)」で完結するマーケットの方が、ずっと多いはずなのだ。
世界戦略の素地
山田氏も、当然、インテリである。早稲田を出て、複数の会社を成功させている。
山田氏は、メルカリ(コウゾウ)を立ち上げる前に世界一周をされていて、特にインドの「ぼったくり」について尺を割かれていたけれども、ここで「世界で何が行われているのか」ということを肌感覚で掴まれたのではないか、と推測する。
そこで、山田氏という「優秀なインテリ(抽象化能力の持ち主)」が、「世界の多くの人が使える」アプリを、と考えて、それをポリシーとして作ったのではないか。 だとしたら、メルカリの軸足がブレることは、まずないかと思う。
当たり前のことだけど、それを「スタートアップで」「信念を持って」やるまでの「肌感覚」レベルで持つことは、なかなか難しいし、そうするとパクるのも困難を極めるのだ。
自分の仮説がもし正しいのだとしたら
山田氏は、メルカリの社員の皆様は、メルカリを使っていてどうなのかな。