人物ポートレイトの撮影は、リーン開発と共通する思想があった点について

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カメラを買ったからにはうまく使えるようになりたいよね、ということで、

www.street-academy.com

こちら、受けてきました。

ポートレイトとは、以下。

  • 被写体がいる。それは人物
  • カメラマンが被写体(モデル)に指示を行いながら撮影

自然に動いたものを撮る「スナップ」とは、指示を出すかどうかが違い。

そして先生曰く、「ポートレイトは唯一、アマチュアがプロに技術の差をひっくり返して勝てる分野。最も大切な「表情」を引き出すのに、カメラの技術は関係ないから」

そして、実技の前に表情の引き出し方の座学があったのですが、その中身がリーン開発の「ペルソナ分析」とかなりかぶっている部分がありました。ので共有

ポートレイトで大切なもの

表情

良い表情を出すには

世間話はいらない。

  • カメラマンは、いい写真が撮りたい
  • モデルは、いい写真を撮って欲しい、取らせてあげたい

それ以外の話はいらない。

とはいえ、指示はいらない。いるもの =======> 設定

設定、とは

モデルは情報が欲しい

例)

  • 緊張した感じで座っていて <== 緊張の解釈が??? プロなら自分の解釈で頑張るが、、、
  • 「面接前の控室のつもりで」 <=== 自然に体が動く

よって、カメラマンは、

  1. 自分の撮りたい表情を決める
  2. それが引き起こされるような設定を考えて、伝える

わからなかったら、モデルさんに聞こう。簡単。

  • どういうときに緊張する?
  • どういうときにアガる?

表情の維持

表情を動かすには、相手の感情を動かす。

そのためには、カメラマンのテンションが大切。プロのモデルはテンションを自分で作れるが、そうでないモデルは、カメラマン以上にテンションを上げることはできない。

よって、カメラマンはオーバーにテンションを伝えないといけない。 ===> コミュ力

  • 「かわいいよー」「これすてきー」「いいよいいよ」と声をだす
  • いい感じの表情が出たら、シャッターを連写する
    • シャッターで会話する
    • 構図もシャッター押しながら考える。モデルを不安にさせない
    • カメラマンは、カメラを持つとワガママになる。駄目。対話を忘れない
    • 自分のSDカードに駄目な写真を入れる、バッテリーを減らすことをいやがらない。モデルを思いやる
  • お願いする。OK してくれたらありがとうを言う
  • 要は、普段の人間関係と同じことを着実に行う

何が似ている?

ペルソナ設定、カスタマージャーニーマップ、PDCAサイクルという概念をご存じない方からの発言が、それに近いものがあって新鮮でした。

実践結果

1回目

  • 撮りたい表情:アンニュイな感じ
  • 設定:遠くに行った恋人、もうすぐ帰ってくる、かも。それを待っている

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1回目でかなり戸惑う。設定も決して馴染みやすいとはいえず、また、いい表情だったときにどう声がけしたらよいかわからず、あまりいい写真が撮れなかった。座学では「かわいいよ」が例だったけど、今回はそれは違うよなぁ、と。

アシスタントの方に聞いて「単純に『いいよ』でいいですよ」ということだった。次回のリベンジを誓う。

2回目

  • 撮りたい表情:冷たい強さ、かっこよさ、戦う女の決意
  • 設定:ファッションショーのランウェイの待機室。ここで私がこの世界で頂点を取るんだ、という意思

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緊張した感じを出したかったので、固めに「そうですこれです」「はい、そんなかんじで」と声がけしたのと、シャッター連写で伝える。

反省点としては、自分がモデルさんより背がかなり高く、目線が見上げる位置になってしまい、ちょっと挑戦者感が強く出てしまったこと。少し屈んで構えるべきでした。

3回目

  • 撮りたい表情:大胆不敵、傲慢、余裕
  • 設定:あなたはチャンピオン、既に頂点。迎え撃って下さい。芸能人で言うと梅宮アンナ

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プロのモデルすげーーーーーーーー

指示出しの段階で、(モデル)「え?まじで?やっほーーーい」(あかの)「いぇーす!ゆーあーチャンピオーん!」といったかんじでテンション上げさせられてしまいました。

撮りながら「かっこいいです」「ぐっときます」「そうそんなかんじで」「お、やさしい笑顔もまたキますね」「踏んで下さい!」とすっかり盛り上がってしまいました。

4回目

  • 撮りたい表情:アンニュイ
  • 設定:あなたは女性起業家。自分の会社を守るために、嫌いな男に抱かれにいきます

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  • 撮りたい表情:ギャップ萌え
  • 設定:「さっきの予定、なくなりました」

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5回目

  • 撮りたい表情:普通の女の子らしさ(あくまで男性の考える)
  • 設定:デートの準備 => 待ち合わせ、彼氏おそいなぁ

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感じたこと

すごい技術はいらないかもしれないけど、最低限の技術は必須で、その最低限がそこそこ高いかも

コミュニケーションということでも、その結果を着実に形にできるだけの知識、技術は必要

  • カメラはマニュアルモードで撮影ができるか?
  • 自分の感情を表現できる、カメラの設定を知っているか?
  • 光の使い方の定石は知っているか
  • それを現在の環境から素早く構築できるか
  • もたもたしてモデルを不安にさせないか
  • 作りたい絵をイメージできるだけの鑑賞経験があるか
  • イメージを伝えるだけの国語力、語彙力があるか

カメラのプロに、狭い意味での技術力で勝てるかもしれないけど、広い意味での人間力をカメラに伝えるための技術って、必要。

プロはすごい

  • すげぇ綺麗だった
  • それは「自分のため」ではなく「人のため」
  • 高飛車な印象があるけど、それはプロ意識の裏返し。しっかりと返せるだけの人間力がある

自分はポートレイトよりスナップが好き

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自分の理想を突き詰めるよりも、目の前に起きたいろんなことを、できるだけそのまま、余計な主観を入れずに、残したい伝えたい、が自分の好きなことだな、と改めて確認。自分はモデルさんではなく、待機している受講生カメラマンのスナップショットの方をいっぱい撮っていました。

それが、自分の写真なんだな、と。

今後

早速、本番でモデルさんの撮影を行ってきました。

ご本人から許可を頂けたら、公開。