絵の魅力を伝えるための写真を撮ろう、としたら、難しくて軽く落ち込んだ件について

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最近は写真撮影可のギャラリーや、一部もしくは全部の撮影をOKにしている美術館博物館が増えてきて、多くの方が気に入った作品の写真を撮影してブログやSNSに投稿しているわけで、

自分も以前、東京国立博物館の展示で、iphone のカメラで、

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あまりにうまくいかず悔しかったから、ミラーレスを買って

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と、ボケとか光とかを見て、あとは ISO をあえて高くしてノイズを乗せたり WB を調整したりして、イメージを伝えることはできるけど、これは立体物であって、元々が平面で、色をいじったりノイズを乗せたりしたくない絵画は、写真だとただの劣化になって伝えることが難しいなぁ、と思っている。

ということで、以下にチャレンジしてみました。

絵を見る人の視点を入れてみる。

例えば、最初に絵の写真は、人の手をフレーミングしてみたのだけど、どうだろう。

撮ってみる絵

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こちら、「ぼくはそれに染まるべきだろうか」。

この絵とモデルを一緒に撮影する場合、最低、3名の人間が関係することになる。 1名はカメラマンをしている自分だけど、他に2名。

絵の作者

町田雨子さん

twitter.com

基本的に、自分は原画を買うときは、作家の方とお話しした上で決めるのだけど、今のところ唯一かな? 一度もお会いしてないのに買わせていただいた作品である。最近の絵は、自分がこちらをお迎えした当時よりも幸せそうな雰囲気が漂っていて、なによりである。

モデル

恩田さやかさん

twitter.com

www.instagram.com

以前こちらのエントリで紹介させていただいた

erosroad.hateblo.jp

こちらの講座に来ていただいたモデルの方である。

www.street-academy.com

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まずは正解の写真

正解の定義を以下に設定。

本物の絵に対して、どうしても魅力が減ってしまう写真に対して『こういう風に見ている』という視点を追加することによって、魅力を伝えるプレゼンをする

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わりとうまくいったと思うのだけど、どうだろう。

解説文を挟みつつ、冒頭の絵のアップの後に、これの写真を紹介するとなると、わりといいプレゼンに使えるかもなぁ、と思っていて、何人かの作家さんのご意見を伺ってみたいところである。

失敗した写真

残念ながら、自分では全然撮れなかったのである。上の写真、確かにカメラの設定をしてシャッターを押したのは自分だが、モデルの表情を作る設定の指示出しをしたのは先生なのだ。

自分が指示出しをしたときの写真はこちら。

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はい。「ぼくはそれに染まるべきだろうか」にある、ある種の重い空気感が全然撮れていません。

なぜ伝わらなかったのか

今回関わっているのは3名と言ったが、作者がモデルかカメラマンを兼任していたら2名だし、実際は、「プロデューサー」という別の役割の方がいるのだ。

プロデューサーとは、「『ぼくはそれに染まるべきだろうか』の魅力をどのように捉えて、それをどのように伝えるか」を判断する人のことである。まぁ、多くの場合は、作者かカメラマンかモデルが兼任することになる思う。小規模な撮影の場合なら。

プロデューサーが、被写体(この場合は絵)の魅力と伝え方を定義するから、以下が行える。

  • カメラマン:背景の選択、カメラの設定、編集の方針
  • モデル:表情作り

今回はカメラマンである自分がプロデューサーを兼ねているわけで、自分がモデルに指示出しをするのですが、そのときの指示だしはこういうふうなものでした。

  • この絵を見て何を感じますか?
  • タイトルはこういうもので、そのときの作家さんはこういう状態だったそうです
  • この目の赤いところや肌の質感がこの絵の特徴です。

ここで、自分の伝えたいものが恩田さんに伝わるまで、あまりうまくいってない写真があがってしまった模様

先生はどう指示したのか

ゴールから伝える。

  • 今回は、この絵を見て重苦しい感じを伝えたい
  • ちなみに、目の赤いところや肌感からそう感じている

ゴールから伝えると、この絵からではなく、以前のモデルの自分の引き出しから、「重苦しくなった経験」を出して来て、表情を作ることができる。それが、出来た写真。

何故失敗したか、以後どうするか

自分は絵が好きなので、その自分が好きになった絵の魅力は誰にでも伝わると思ってしまうのですよねーーー。

でもそういうことはないわけで、それぞれの感受性は違うわけで、でも、それを、嘘かもしれないけど、それを憑依させて伝えることはできる。コマーシャルって、そういうことだよね、と改めて認識。

まずは、以下かな

  • 自分が(プロデューサーとして)どこが素敵だと思ったか言語化する
  • 感性は違うし、感性が違う人とも言葉を介してコラボできると知る

違和感がないと言ったら嘘になるというか、自分が「アマチュア愛する人)として」それをやりたいかというのはあるし、でもそれは劇を演じたり小説を書いたりするのと何が違うのかという感じもするし、とりあえずは、もう一度別の作品でやってみようと思った次第。

感性を言語化するには

こちらの講座がオススメです。

www.street-academy.com